第2回 PSTEP 国際シンポジウム(PSTEP-2)

2017年3月23日~24日、京都大学理学研究科セミナーハウスにおいて、第2回PSTEP 国際シンポジウム(PSTEP-2)、“ Toward the Solar-Terrestrial Environment Prediction as Science and Social Infrastructure ” が開催されました。PSTEP のキックオフとして開催された国際シンポジウムPSTEP-1( 2016年1 月13日~ 14日@名古屋大学ES ホール )につづいて、今回はとくにPSTEP A02 太陽嵐班とA04 周期活動班のテーマにフォーカスし、PSTEP の2年間の成果を共有してさらなる国際協力の展開を図ることを目的としています。シンポジウムにはそれぞれの分野において第一線で活躍する11 名の研究者を海外(ヨーロッパ、北アメリカ、オーストラリア、東アジア)から招待し、A02、A04 班以外の研究者や学生も含め84 名が参加しました。


シンポジウムでの議論の様子

本シンポジウムではA01班(予報システム班)に関係して、宇宙天気災害の経済影響に関するEdward O ughton氏 (University of Cambridge) の基調講演(The economic impact of extreme space weather)に続いて、1 日目と2 日目にそれぞれA02 とA04 班のこれまでの成果や今後の計画が報告され、関連分野における海外の最新研究の発表がおこなわれました。太陽嵐(A02)に関する1日目のセッションでは、Bernhard Kliem 氏(University of Potsdam & Nagoya University)による基調講演(Understanding the mechanism of solar eruptions)で、太陽嵐発生メカニズムに関する最新理論の動向をレクチャーいただき、続いて太陽面爆発観測システムの進展、活動領域の形態とフレア・CME(太陽風擾乱)との関係性、フレア発生モデルや予測アルゴリズム、CME の最新の観測と数値モデル等に関する研究成果が報告されました。太陽周期活動(A04)に関する2日目のセッションではまず、三好由純氏 (Nagoya University)による講演(Exploration of energization and radiation in geospace “ ARASE ” (ERG) mission)で、昨年打ち上げに成功した「あらせ」衛星の全貌が紹介され、Lesley Gray 氏(Department of Physics, University of Oxford)による基調講演( Inf luence of the 11-year solar cycle on climate )で、太陽活動周期に対する地球大気の応答に関する最新の研究結果が紹介されました。続いて、観測データに基づく太陽活動の最近の動向や次サイクルの予測、太陽活動に対する地球環境の応答、とくに地球大気の化学反応や電気抵抗の変化、海洋の応答等にも着目した気候変動に関する研究成果が報告されました。
シンポジウムでは12 件の招待講演の他にも20件のショート講演、22 件のポスター発表がおこなわれ、シンポジウムの期間を通して大変有意義な質疑や議論が交わされました。1 日目の夜には桜開花までもう少しの銀閣寺道のレストランで賑やかに懇親会がもたれました。また、海外からの招待者の何人かの方はシンポジウムの前後にPSTEP 参加大学や研究機関を訪問し、小研究会やセミナーを通してさらに深い研究交流をおこないました。太陽から地球に至る宇宙環境変動のメカニズムや予測にテーマを絞って時間をかけ議論を深めることができたことは、今後のPSTEP の推進にとっていっそうの弾みとなりました。
 最後に本シンポジウムの運営を支えてくださった名古屋大学宇宙地球環境研究所の事務の方、学生の皆さん、京都大学気象学研究室、附属天文台の事務、研究員、学生の皆さんにこの場を借りてお礼申し上げます。
( 一本 潔・浅井 歩 / 京都大学 )

PSTEP-2 プログラム: http://www.pstep.jp/information/20170314.html
参加者の集合写真(セミナーハウス前にて)